ワインはぶどうを原料として作られるお酒ですが、世界の中の数あるお酒の中でワインだけに言える特筆すべき特徴は、人間が手を加えなくても自然の恵みとして地上に存在し得た稀有なお酒であるということです。つまり、ワインの歴史は人類の歴史よりも古いのです

  日本酒やビールの原料は、米や麦などの穀類ですが微生物(酵母)を利用してアルコール発酵を行わせるには、まず初めに穀類のデンプンを糖化して「糖」をつくる必要があります。これを酵母の力でアルコールと炭酸ガスに分解するわけですが、この一連のプロセスが全く人手を借りずに自然現象として円滑に進む事はまずあり得ません。

  ぶどうには、始めからお酒をつくるのに理想的な割合で糖分と酸が含まれ、おまけにその果皮には天然酵母が付着しているので、ぶどうを潰しさえすれば自然にアルコール発酵が起りワインが出来ることになります。

  ワインは人間が意図して作ったお酒ではなく古代人が偶然発見したと推測されます。まさに「神様の贈り物」と言う表現がピッタリのお酒です。

  但し自然まかせの醸造法では、現代人の好みに合うような品質の良いワインを大量に且つ安定的に生産することは出来ません。

  私達が今、飲んでいるおいしいワインは、科学的知識を活かした生産プロセスと行届いた品質管理によって得られたものです。

  ワインの味や香りにはぶどうの品種が決定的な影響を与えます。

つまり原料のぶどうの品種がわかればその味は大体見当がつきます。

 ワインの知識を深める事に大変役に立つことはまずフランスのぶどうの品種(代表的なもの)を憶えておくことです。その知識が世界中のワインを味わう時の道しるべとなります。