ワインと料理の相性

 この講座のはじめに「マリアージュ」と云う言葉を紹介しました。これは料理とワインの「相性」のことです。

 ワインと料理の組み合わせは個人の好みで自由に楽しめばいいと云うのもそれはそれで一面の真理です。ただワインの長い歴史の中で多くの美食家たちが最良のマリアージュを探求した結果、割り出した常識的組合せというのがありますのでこれを知っておけばワインや料理の楽しみがぐんと広がります。

 簡単に要約すれば、味の淡白な料理にはさっぱりした味わいのワイン。甘酸っぱい味わいには甘酸っぱいワインと云うように「似た者同士」を合わせるということです。

 「肉料理には赤ワイン。魚料理には白ワイン」と云う言葉もそんなところから生まれたものですが、これを絶対的な法則と考えてはいけません。

 材料の肉や魚の成分は種類によって様々ですし、また料理に使用する調味料の種類や味付けの仕方も色々ですから、これらの要素の総合されたものとワインの味わいが口中で渾然一体となって美しいハーモニーを奏でるようなものでなければならないのです。

 例えば同じ焼き魚でも鯛などの白身の場合には切れ味のいい白ワイン。一方ブリやサンマ等の脂ののった魚ではほどよいコクの赤ワインがよく合います。

 白身魚の刺身とブルゴーニュの白が「あまり合わないな」というような時、ショウ油をポン酢に変えるとその酸味が橋渡しになって「これはいける!」ということになります。

 マリアージュがピンとこない時にはそんな工夫をしてみたら如何でしょう。家庭でつくる料理にどんなワインがよいかと云う例を表にまとめてみました。
ここにあげたワインは気軽に買える並級クラスのものです。

ワイン価格(フルボトル) ; 小売価格(消費税別)
 調理区分   料理名(材料)     相性のよいワイン(例示)
白身の刺身や貝類 (白)ピエールモロー・シャブリ(1,920円)
(白)バユオー・ミュスカデ・ド・セーヴル・エ・メーヌ(970円)
マグロやカツオ等の赤みの刺身 (赤)ルフィーノ・キャンティフロレンタイン(1,200円)
(ロゼ)フォルタンドフランス・シラーロゼ(970円)
しめ鯖マリネ等酢のきいたもの (白)マドンナ (1,260円)
(白)ボツラ・ソアーヴェクラシコ(1,170円)
揚げ物 天ぷら (白)シャトーリオン白(1,260円)
(白)ロバートヴァイル・リースニング(2,000円)
魚介のフライ (白)サントリー・レゼルブ白(780円)
(白)エレヒードセレクション白(850円)
とんかつ等 (ロゼ)トーレスサングレデトロ・ロゼ(1,260円)
(赤)ワインカフェサンジョヴェーゼ(490円)
煮込 クリーム系のシチュー (白)マドンナ(1,260円)
(白)トーレス・サングレデトロ白(1,260円)
ビーフシチュー等 (赤)サンタカロリーナ・カベルネソーヴィニヨン(970円)
(赤)フェッツアーベルアーパー・カベルネソーヴィニヨン(1,170円)
煮魚等 (赤)ワインカフェ・メルロ(490円)
(ロゼ)マテウス・ロゼ(950円)
焼物 魚の塩焼き (白)ワインカフェ・フュメブラン(490円)
(赤)ルンガロッテイジャーノ赤(970円)
鶏やブタ等白身肉
の焼物
(白)ペンフォールドローソンズリトリート・セミヨンシャルドネ
                              (1,170円)
(赤)ジョルジュデュブッフ・ボジョレー(1,170円)
ローストビーフ
ステーキ
(赤)シャトーリオン赤(1,260円)
(赤)フォルタンドフランス・カべルネソーヴィニヨン(970円)